おしるこ跡地

餅食い過ぎ

<021>明るい夜に出かけて (佐藤多佳子)

 

明るい夜に出かけて(新潮文庫)

明るい夜に出かけて(新潮文庫)

 

 それぞれの再生と出発の物語。登場人物が本当に活き活きと描かれている。

文章は主人公のぼやき調なのに、この口調だけでイラッとくることもなく最後まで読ませるのってすごいことだと思った。技術がすごい。

 

 

 それぞれの葛藤を、それぞれが共有したり相互作用を起こしたりしながら、それぞれの問題を克服していくのがとてもよかった。

中でも佐古田の文化祭は一つのターニングポイントになっていて、主人公がここからぐっと成長していく(口調はぼやきだけど)のが見ていて嬉しい。一人が作ったものが連鎖してまた別の誰かが新しいものを作っていく。人と人との繋がりや関係みたいだなと思った。

 

舞台が八景なので、リアルに街を想像できてなんか微妙だけど。金沢での三年間は楽しい職場だったけど、人生の躓きの原点な気がして。